冬季連続講座 第2回 2月22日(土)13:30~15:00
テーマ 「私と、彼ら」から「私たち」へ
~帰国者2世とともにドキュメンタリーの可能性を拓く~
講 師 内山直樹さん(株式会社テムジン 映像ディレクター)
講師の内山さんからのメッセージです!
ドキュメンタリー映像のディレクターをしています内山と申します。
私は、これまでの制作経験を通して、映像の本質的な役割は、利害や市場原理からかけ離れたところにあると思うようなりました。映像には、社会の聞き取りづらい声を聞き、他者を歓待し、受容を生み出す力があります。しかし、今のメディアの状況を見ると、金になるかならないかの利害に染まっています。事実を扱うドキュメンタリーも、社会課題を抱える当事者を異化し、視聴者との分断を深めることになっているように思います。
こうした問いを持ちながら、映像の根源を追求するドキュメンタリープロジェクトを、中国帰国者二世の大塚栄子さんと汪楠さんと始めました。当日は、短編ドキュメンタリーの上映と、主人公とのトークセッションを行います。映像に“出る人”、映像を“作る人”、映像を“見る人”がフラットに繋がり、共に笑い、心で感じる時間にしたいと考えていますので、ご来場心よりお待ちしております。
上映内容:
1、怒羅権(9min)
https://youtu.be/vDd0gGdlvEQ
2014年、中国残留孤児2世らが結成した「怒羅権」の創設メンバーが出所した。
汪楠(48)。暴力と金の世界を知り尽くした汪が語る「犯罪」とは?真の意味での「更正」とは?再犯率50%以上という孤立無縁の日本に生きる“私たちのドキュメンタリー”。
2、移民カラオケ -中国残留婦人二世 大塚栄子編-(15min)
https://youtu.be/Nsp1KITOCRM
移民たちが歌う歌には、祖国への郷愁、異国での悲哀、見る者の心を揺さぶる物語がある。これはカラオケとドキュメンタリーの力で移民と社会をつなぐ、ソーシャル・エンゲージド・ドキュメンタリー・プロジェクトです。世界を覆う排他性に対し、僕たちドキュメンタリストは何ができるのか。その一つの答えがここにある。