2022年度から、官民協働して満蒙開拓の史実継承に取り組んでいただける「自治体パートナー制度」を創設します。パートナーとなっていただいた皆様には、財政面での分担と共に、史実継承のための活動や情報交換等を進め、一緒にこの歴史を伝えていきたいと思います。
この制度創設にあたりまして、2022年1月13日に記者会見を行いました。
2013年4月に開館した満蒙開拓平和記念館。それまであまり語られてこなかった歴史を伝え残そうと体験者の方々が苦しい胸の内を語り、多くの人々がその話に耳を傾け、平和の尊さや社会のあり方、人としての生き方などを考え学び合う拠点として歩んでまいりました。「満州」「満蒙開拓」に特
化した記念館、資料館は他にないため全国から貴重な資料や情報の集積しつつあり、担う役割と社会からの期待は更に大きくなっています。しかし、対応に要する人員あるいは財政面においても当初の想定をはるかに超えており、コロナ禍での収入面の打撃を経る中でやはり運営基盤の強化が喫緊の課題となっています。
これまで全国の皆様方からのご支援をはじめ、役職員やボランティアの皆様などの熱意で取り組んでまいりましたが、安定的な維持運営を図ることを目指し、この度、現行の一般サポーター会員制度の拡大版として、自治体版の協力会員制度を創設させていただくこととしました。「パートナー」という名称に込めた思いは、財政面の支援だけでなく、行政も主体的に歴史継承の一翼を共に担っていただきたい、そのきっかけにしていただきたいという思い。さらに、官民協働型の新しい運営スタイルを確立していきたいという挑戦のひとつでもあります。
以前から、この歴史は官民一体となって継承すべきものであり、それに向けた仕組みづくりができないかといった話もいただいておりました。今回そのようなご提言に背中を押され、制度構築に至りました。すでに地元の阿智村、隣接の飯田市など協力的な自治体が名乗りを上げ、推薦文もいただいており、たいへん心強く、励まされています。
「満蒙開拓」の継承は、関心のある人だけが担えばよいというものではないと思います。
これからも粘り強く社会にこの活動を広げていく挑戦を続けていかなければならないものと思います。
皆さまのご協力をお願いします。