日本満洲見学地理
1935(昭和10年)5月1日発行、発行:大日本雄弁講談社
監修:東京高等師範学校教諭 佐藤保太郎 絵:島田啓三
サイズ 33×25.7、10頁
少年向け雑誌『少年倶楽部』第22巻第5号の付録についたイラスト地図
日本列島の北から南各地方と、1935年当時日本の領土となっていた朝鮮半島や台湾・満州をカラーイラストで描いた地図です。雑誌『少年倶楽部』(1914年創刊)は定価50銭で、その付録としてついていたものです。絵は「冒険ダン吉」で人気を博していた漫画家島田啓三の手によるもの。各地域の地形図とともに、その場所で有名な産物や産業、名所、交通などを紹介しています。たとえば、北海道地方では鮭・昆布・熊、東北地方(原本資料では奥羽地方と記述)では米や馬などのイラストが目を引きます。
台湾や朝鮮も日本の一地方として取り扱われています。
満州については「満洲国・関東州」として、巻末にとじ込み地図が描かれ「日本は満洲の独立を認め、進んで国防を助け、兄のように導き助けてきた。我が国の移民はけ口と足りない物産を与えてくれる日本の生命線だ」「まだ開かれていない肥えた平野、掘り出されない鉱物がたくさんある」と説明。
この地図を見た子どもたち、あるいは大人たちは“日本という国”をどのように捉えていくことになるのでしょうか。