東亜「新満洲文庫」まんしうの子ども
1939(昭和14)年2月20日発行、発行:修文館 編集:石森延男
サイズ 19×16.7、78頁
満州の子どもの風俗や習慣に関する事柄を、小学校低学年向けにまとめた本
満州の子どもの誕生や名前のつけ方、遊び、食べ物、服装といった風俗・習慣にまつわる話をまとめて紹介しています。
このなかで「満洲の子どもがみた世界」という項目では、満州の子どもが日本をどのように見ているか、13~14歳の子ども160人に対して行ったアンケート調査の結果を載せています。この調査がどのような状況でなされたものかは吟味が必要ですが、その結果をそのまま紹介すると、満州の子どもたちは日本・アメリカ・イギリスの三国の力をそれほど違わないと考えており、満州を一番助けてくれるのは日本で、一番仲良くしなければならないと考えていることが示されています。
そして編者はこれを受けて「満州人の子どもたちは、今こうして向こうから小さな手を伸ばして、仲良しになって下さいと叫んでいます。たとえ私たちは小さくとも、自分の手を差し出して、しっかり向こうの手を握りしめてやろうではありませんか」と締めくくります。
あくまでも日本が満州を引き上げる立場にあるという認識を感じとれます。