先頃、集英社より、かつて岐阜県から渡満した「黒川開拓団」での出来事等に関する平井美帆著『ソ連兵へ差し出された娘たち』という書籍が出版されました。
この書籍の内容に関して、同開拓団の戦後組織である黒川遺族会より別添通りの声明文が出されました。これを受けて当記念館よりもコメントを出させて頂きました。
当館としては本来、そのスタンスとしてどのようなことに対しても出来る限り中立公平な立場でありたいと言うのが基本的な思いです。しかし、今回のことは、同開拓団での受難女性の皆さんが、当館の語り部定期講演で初めて公の場でお話しされており、それを支えてこられている今の黒川遺族会の皆さんの思い、活動に共鳴し、共に活動に励んできています。その姿をずっと見続けてきた当館として、同書に対する反論等としてではなく、黒川遺族会の今の活動の実際を正しく知って頂きたいとの思いから、記念館としてのコメントも付させて頂く事といたしました。
今回のことを通じて、複雑な史実である満蒙開拓について全国各地で語り継ごうとされている皆さんにとっての障壁とならないことを願いたいものと思います。