最新満蒙絵図 附満蒙事情と満洲事変
1932(昭和7)年2月11日発行 サイズ53×32
作製:陸軍省新聞班内「つはもの」編集部
発行:帝国在郷軍人会本部内つはもの発行所
1931(昭和6)年満州事変記念絵地図。裏面で満蒙地域の地理・歴史、日本にとっての重要性などを説明している。
陸軍省が満州事変記念として発行した絵地図です。
この当時満蒙地域は遼寧省・吉林省・黒龍江省・熱河省の4省からなり、多くの農作物や鉱産物に恵まれた将来性のある地とされていました。地図には石炭・砂金などの資源や、大豆・黍(きび)といった農産物のマークが多くみられます。また、日露戦争の主要戦闘地が示されており、裏面の解説で「今や日本の国民生活の為めにも国家経済の上にも又国防の上にも密接重要なる関係を生じ日本は満蒙なくして存立することが出来ない」と、満蒙地域の重要性を説いています。こうした認識のもとに満州事変が起こされ、「満州国」は建てられました。
でも、本当に日本は満州がなければ成り立たなかったのでしょうか。多くの犠牲を払ってまで手に入れなくてはならない地だったのでしょうか。領土をめぐって世界が争っている現在にも通ずるものとして、私たち自身にも問いかけてみたい問題です。