満洲帝国郵票総覧 康徳十年版
1942(昭和17)年10月30日発行、サイズ 18×12.5、40頁、発行:満洲郵票会
1932(昭和7)年7月から1942(昭和17)年10月の建国10周年にいたる満州国郵便切手一覧冊子(白黒)
満州建国当初1932年3月の郵便制度は、中華民国時代のものが変わらず適用されてきていましたが、だんだんと満州国政府側によって民国郵政に代わる独自の制度への転換が進んでいきます。民国政府側は郵政局職員の全面ストライキなどで対抗しますが、同年7月満州国は接収を強行・完了させました。ここで両国の郵便関係事業は絶たれることになります(満鉄付属地は除く)。
一方満州では新郵政が発足するとともに、新切手が発行されます。最初の普通郵便切手は遼陽にそびえる白塔と高粱をあしらった半分(はんぶ)*切手と、皇帝溥儀と月桂樹がデザインされた一角三分切手の2種で、「新国家」を象徴する図柄でした。その後何回か、郵便料金の改正や印刷様式の変更によって改版切手が出されますが1936年に図案を一気に改定、国務院と蘭の紋章を据えた半分切手と、荷車と農産物を積んだ馬車を描いた六分切手となりました。
また、封鎖されていた満州―中華民国間での郵便事業が1935年に再開するにあたり、中華民国宛て切手が発行されたほか、航空便用・記念行事用など様々な切手が出されていったのでした。そんな切手の変遷を、中国語・日本語併記で説明しています。
*当時満州で流通していた通貨の単位は元(げん)・角(かく)・分(ぶ)であった。半分(はんぶ)は一分の半分で1/2分
記念切手の紹介
改版切手の紹介