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寄贈品 №55

満蒙開拓青少年義勇軍現地通信集 第1集、第2集

拓務省拓務局発行 第1集:1938(昭和13)年12月 18.6×12.7, 76頁

         第2集:1939(昭和14)年9月 同, 74頁

義勇軍で渡満した少年たちから、故郷に宛てて出した手紙をまとめた冊子

 拓務省が青少年義勇軍で渡満した少年たちの手紙を全国から集め、冊子としてまとめたものです。

第1集には33編、第2集には30編が収録されています。

 石川県出身の石山龍さんは北安省嫩江訓練所に入所しました。『汗愛の道を往く』と題された通信文は「謹啓、八月の聲を聞き大陸も午後三時となればもう何處となく初秋を思はせ人は寂しくなる。小生は今日、一日の労働を終へ味噌汁と暑い豆と菜葉の漬物との夕食をすませ、今将に沈まんとする地平線の彼方赤き太陽に向ひ兵舎の前にあるトラツクの上で想ひを遠き故郷に寄せてゐます」で始まり、病気をすることなく元気で作業をしている様子や今後への抱負が語られます。

 中国人の様子を記したものもあります。


 岐阜県出身の村雲康彦さんは『勃利だより』という手紙の中で勃利の街で5日間作業をしたことに触れています。日満警察、日本人、朝鮮人、満州人、学生らでの作業で、満足に出来ない満州語と身振り手振りで朗らかに暮らしたこと、夜中に市場を廻っていると豚が到る所に這い回っていたこと、満州人の学校に遊びに行きバスケをやっていて「実にうまいものでした」と感心したことなど。日本とは違った文化や暮らしの一部を目の当たりにした時の素直な驚きが感じられます。