昭和17年 長野県地方計画参考図
初版1941(昭和16)年9月・再版1942(昭和17)年5月
長野県経済部発行、38.0×28.3、18枚
アジア・太平洋戦争を遂行するため、食糧増産への総合的計画に向けた基本資料をまとめたもの。

アジア・太平洋戦争の拡大に伴い、食糧増産への需要が年々高まりつつありました。部分的・一時的な計画ではなく、農家の協力を得ながら、総合的計画を立てなければならないとして、長野県ではまず計画樹立のための基本資料を集めることにしました。そして、それらをまとめ、土地利用状況・可耕地・人口密度・開拓民送出数・米/麦/馬鈴薯/繭/りんご生産分布といった項目ごと地図に落とし込みました。カラーで色分けをするなど、一目見て簡単にわかるよう工夫しています。
ただし、水系利用・自動車交通・家畜/工場/労力供給分布図については「時局柄発表差控の已むなきに至った」とあり、国民に知らせることができない情報もあったようです。
左下の満蒙開拓民送出図を見ると、1940年6月末時点で下伊那郡に集中していることが読み取れます。他郡でも分村移民を送り出している富士見村・大日向村・読書村が目立っています。これらをたとえば繭/米生産分布図や米過不足地域図などと重ねてみると、何か相関関係が見られるのか、あるいは見られないのか。また違った発見があるのかもしれません。

開拓民送出図

繭生産分布図

米過不足地域図

米生産分布図